先月のシートと今月のシートの更新箇所の確認など、シート単位で比較する方法について解説していきます。
まずは、比較する際の数式について確認します。 以下のようなシート「A」と「B」の全ての内容を比較する場合、2つのシートとは別に比較結果を表示する用の「差分」というシートを用意します。
シート「A」とシート「B」のセルA1が一致しているか確認するには、差分シートに以下のような式を入力します。
=AND(A!A1=B!A1,EXACT(A!A1,B!A1))
各シートの参照(A!やB!など)に関しては、それぞれのシートのセルを選択することで自動で入力されます。 後はこの式を比較したいセルの範囲までコピーすると、一致していないセルがFALSEと表示されるようになります。※自動色付けの解説は式の解説をした後に行います。
式の解説をします。
=AND(A!A1=B!A1,EXACT(A!A1,B!A1))
①AND関数:引数の全てがTRUEの場合にTRUEを返す、それ以外はFALSEを返す ②〇=〇:2つの値が等しい場合にTRUEを返す、等しくない場合はFALSEを返す ③EXACT(〇,〇):2つの文字列が等しい場合にTRUEを返す、等しくない場合はFALSEを返す
この内容を見ると、②もしくは③のみで問題がないように感じますが、②と③には以下のような違いがあります。
※「数値と文字列の比較」や「アルファベットの大文字と小文字の比較」に関して、一致していなくても片方の比較方法だとTRUEになってしまいます。
上記のようになるため、両方の比較を使い、両方が満たされた場合に関してのみTRUEとなるように以下のような式になりました。
=AND(A!A1=B!A1 ,EXACT(A!A1,B!A1) )
ただ、TRUEもしくはFALSEの表現だけでは、確認が大変かと思います。 その際に、条件付き書式を使うと便利です。
色付けしたいシートに対し、色付けしたい範囲を選択します。 条件付き書式の設定は、相対参照を意識する必要があります。 そのため、選択したい範囲内の左上のセルを基準に選択すると設定が分かりやすいかと思います。
※こちらではセルA1を基準に選択しています。
選択できたら、[ホーム]→[条件付き書式]→[新しいルール]を開きます。
この中の「数式を使用して…」というところで先ほどの式を入力します。※設定するセルは選択した基準になります。こちらの場合はセルA1を基準に選択しているため、セルA1を基準にした式を入力しています。
また、条件付き書式の「数式を使用して…」で設定する式は、この式の結果がTRUEの場合に関して書式を設定することになります。 そのため、以下の式のままですと、一致がTRUEになってしまうので、計算結果がFALSEの場合という式を追加します。
=AND(A!A1=B!A1,EXACT(A!A1,B!A1))
↓
=AND(A!A1=B!A1,EXACT(A!A1,B!A1))=FALSE
書式に関しては、好みの背景色を設定し「OK」で保存すると、不一致を色付けすることができます。